縄文時代にさかのぼる酒造りの起源

世界各地の酒の起源は、ほとんどが果実酒と考えられ、メソポタミア地方のシュメール人によって飲まれていたワインは紀元前4000年ごろとされ、その1000年後にはビールが飲まれていたとも言われています。

ウイスキーやスピリッツなどの蒸留酒は、11世紀初めの南イタリアが最初と考えられ、日本固有の日本酒は、奈良時代に酒造りの製造方法が確立されたと考えられています。

一方で、人類とお酒の関わりは、今からおよそ1万4000年前に狩人がクマなどに荒らされた蜂の巣に溜まった雨水の蜂蜜酒を飲んだ事が始まりとされています。

日本でも、青森で発掘された縄文時代の三内丸山遺跡からは、多くの植物の種子が発見され、酒造りの起源があったとする説が有力視されています。

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縄文時代の遺跡にみられる酒造りの始まり

青森県にみつかった縄文時代の三内丸山遺跡の低地からは、大量の植物の種子が出土し、その中でもニワトコの赤い実が見つかっています。

ニワトコの種子の中には、キイチゴ、サルナシ、ヤマグワ、マタタビ、ヤマブドウなどが含まれ、これらの実を配合して煮出して発酵させるという酒造りが行われたと推測されています。

発酵した果実酒に集まるショウジョウバエのサナギも周囲から出土しているため、果実酒造りの可能性が高いと考えられています。

日本固有の日本酒と酒造りの起源は?

日本での酒造りの始まりは、世界各地の酒の起源と同様、ニワトコやヤマブドウといった果物や木の実から造られた酒と考えられ、前述のように縄文時代からと考えられます。

一方、日本固有の日本酒は、奈良時代に米を原料とした酒造りが確立されたと考えられ、弥生時代に大陸から伝わった稲と水田による稲作が、米文化のひとつとして発展したと推察されます。

古代日本では、穀物を口に入れて噛み砕いた後、瓶や甕に吐き出し、発酵させる原始的な酒造りによる「口噛み酒」といった酒の存在も残されています。

また、「酒は百薬の長」という言葉は、中国古代の史書「漢書」に由来していて、お酒が古代から人間の食文化を豊かにしてきた事が伺えます。

日本固有の日本酒は、祭礼や正月、慶事などに飲まれ、現在でも冠婚葬祭で飲まれる風習が残っています。

縄文時代に残された酒造りの痕跡

人類とお酒の関わりは、果実酒が起源と考えられ、日本でも縄文時代の三内丸山遺跡にみつかった大量のニワトコの種子が、ニワトコ酒の可能性を示唆しています。

縄文土器に付着した果物や木の実は、果実酒造りの痕跡と考えられ、稲作が伝わって日本酒が造られる以前から、酒が飲まれていたと推測されています。

日本特有の日本酒が造られる以前のお酒は、原始的な果実酒や口噛み酒といった酒造りが考えられています。

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