縄文時代の生活がわかる北海道の遺跡群

今から約15000年前に氷河期が終わると共に始まった縄文時代は、急速に進む温暖化の日本列島の東日本に人口が集中し、後期からは西日本で人口が増加したと推定されています。

旧石器時代から広がっていた針葉樹林からドングリや栗などの落葉広葉樹林へと入れ替わり、海面上昇によってそれまで大陸と陸続きだった日本列島は、島国へと変貌します。

移動生活から定住生活へと移り変わった縄文時代には、生活の拠点としての集落が形成され、北海道や北東北には当時の生活跡を示す17の遺跡が発見されています。

縄文時代の生活を知る手がかりとなる北海道で発掘された遺跡群を紹介します。

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北海道で発掘された縄文時代の遺跡群

津軽海峡を挟んだ日本列島の北海道に発掘された遺跡には、大船遺跡、垣ノ島遺跡、キウス周堤墓群、北黄金貝塚、入江・高砂貝塚があります。

津軽海峡の南に位置する北東北の青森県には、三内丸山遺跡、小牧野遺跡、大森勝山遺跡、是川石器時代遺跡、田小屋野貝塚、亀ヶ岡石器時代遺跡、大平山元遺跡、二ツ森貝塚、岩手県には御所野遺跡、秋田県には大湯環状列石と伊勢堂岱遺跡、関連資産として北海道の鷺ノ木遺跡と青森県の長七谷地貝塚があります。

北海道と北東北で発掘された縄文時代の遺跡群からは、急激な温暖化が進んだ縄文時代の始まりから中期にかけて東日本に人口が集中したことが推測される根拠ともなっています。

いずれの遺跡や貝塚からも、縄文時代を思わせる植生や地形、自然環境が保全され、数多くの土器や土偶などの遺物が発掘され、文字のなかった縄文時代の生活を知る重要な手がかりとなっています。

北海道で発掘された縄文時代の遺跡からわかる当時の生活

北海道で発掘された縄文時代の遺跡からは、それぞれの集落が作られた特徴があり、大船遺跡からは大型の竪穴住居が特徴的で、垣ノ島遺跡からは国内最大級の盛土遺構をもった特徴がわかります。

また、北黄金貝塚や入江・高砂貝塚からは、埋葬された人骨や動物遺体、周辺の自然環境や生活や生業、埋葬方法などが推測されます。

入江・高砂貝塚からは、長期間にわたる定住生活と環境の変化に適応した実態を示した痕跡がみられ、貝塚から見つかった人骨などから貝塚が神聖視されていたことも推測されます。

貝塚からは貝類をはじめ、海獣類や魚類の骨もみられ、漁労文化が発達していた生活の特徴が示され、縄文時代の北海道では手に入らない猪牙製品などの発見から、他の地域との交流や交易を示しています。

縄文時代の生活を推測させる北海道の遺跡跡

北海道や北東北に発掘された縄文時代の遺跡群は、氷河期が終わり始まった縄文時代の生活を示す痕跡が数多く見つかっています。

移動生活から定住生活へと変わった縄文時代の生活で集落が形成され、貝塚には、長期間にわたる定住を可能とするために適応した実態の痕跡があります。

また、北海道とそのほかの地域との交流や交易が行われた痕跡を示す遺物も発見されています。

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