縄文時代と世界文明の相関関係

人間が作り出した高度な文化や社会を指す文明は、農耕による食糧生産と余剰農作物の生産が前提とされ、四つの世界文明と呼ばれるメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明は、いずれも大きな川の流域に栄えています。

文明と非文明の区分には、継続的な食糧生産と食料の確保、都市、公共建造物、大きな人口、冶金術、合理科学の発達、職業や階級の分化、文字、支配的な芸術様式などが指標として、考古学者ゴードン・チャイルドが示しています。

今から約1万5000年前から約2300年前まで続いた縄文時代は、紀元前5000年ごろから紀元前2300年ごろの期間に誕生した四つの世界文明よりも遥か昔に誕生しています。

縄文時代と世界文明にみられる共通点や違いなどを紹介します。

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四つの世界文明にみられる共通点と違いには?

メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明は、それぞれ紀元前3500年ごろ、紀元前3000年ごろ、紀元前2300年ごろ、紀元前4800年ごろに誕生したと考えられています。

四つの世界文明は、それぞれ大きな川の流域に栄えた特徴があり、それぞれの地域で文字が利用されています。

メソポタミア文明では太陽暦が使用され、60進法が発達し聖書の原型やハンムラビ法典がつくられ、エジプト文明では太陽暦が使用され、多神教の宗教が芽生え、ピラミッドの建設やパピルスが発明されています。

インダス文明では青銅器が使われ、優れた都市計画と技術を生み出していて、黄河文明では新石器から青銅器時代まで農耕文明として栄えています。

縄文時代と世界文明の共通点と違いは?

大きな川の流域に栄えた世界文明と同様に、縄文時代の集落は各地の川沿いに形成され、文字の利用こそみられませんが、世界のどの地域よりも早く土器が発明されています。

自然との共存をはかった縄文時代の人々は、世界文明でつくられた都市機能を集落の配置で作り上げ、狩猟中心の生活から植物の採集と栽培に移行させながら、食料の確保を図っています。

縄文時代と四つの世界文明との大きな違いは、集落内での身分差や階級を設けることなく指導者となるリーダーをおかず、等距離の人間関係が構築されていた点にあり、約1万年という長い期間継続した時代の中に、大きな戦争の痕跡がないことが最も大きな特徴です。

こうした背景から、世界四大文明ではなく、縄文時代の縄文文明を加えた世界五大文明を主張する説が持ち上がっています。

世界文明と縄文時代の発達過程には類似点と相違点がある?

人類が文明を生み出したとされる四つの世界文明は、安定的な食糧生産と貯蔵ができる基盤を持ち、いずれも大きな川の流域に栄え、文字が使われています。

それぞれの地域で人口を増大させ、冶金術や科学技術を発達させ、社会組織を形成しています。

縄文時代は、世界文明が誕生する遥か昔に始まり、定住生活を始めるに必要な食料確保のために畑を耕し、縄文土器を発明し、集落が形成されています。

1万年という長い間継続された縄文時代には、他の世界文明には見られない縄文人の精神性と信仰心が基盤となっています。

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