縄文時代の遺跡の世界遺産の可能性は?人口の増減の理由は?

現在の日本は、人類が経験したことがない少子高齢化という人口動態に直面し、今後、労働人口の減少が懸念される現状にあります。

日本人の直接の祖先と考えられる縄文人も、氷河期が終わり縄文時代の始まりと共に急速な人口増加が起こり、縄文時代の中期にピークを迎えると後期から人口が急減する状況を体験したと推定されています。

文明水準が違う古代の縄文時代と現代を単純に比較することはできませんが、現代の人口問題を解決するヒントが縄文時代には隠されているかもしれません。

縄文時代に起きたと推定される人口の急増と急減の背景とともに、縄文時代の世界遺産登録の可能性を考察します。

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縄文時代に起きたと推定される人口動態は?

歴史人口学の鬼頭宏氏が推定した縄文時代の日本列島には、早期に2万人いた人口が、前期から中期かけて26万人まで増加し、後期には16万人まで減少し、晩期には8万人まで急減しています。

氷河期が終わり、縄文時代に入ると急激な温暖化が始まったことが人口の急増に影響を与えたと考えられるものの、急増した人口の大半が東日本に集中し、後期からは西日本で増加したと推定され、自然環境だけが理由とは言えない面もあります。

縄文時代の中期までの人口増加には、温暖化の影響に加え、広葉樹を活用した畑作などの農耕によって、食料事情が安定したことが大きな影響を与えたと推察できます。

一方、中期にピークを迎えた人口が晩期にかけて急減したのは、温暖化した気候が寒冷化に向かったことや、急激に増加した人口に対する拒否反応が縄文人にあったのではないかと推察されています。

縄文時代の遺跡が世界遺産に認定される可能性は?

ここ数年、日本各地で世界遺産に認定される場所が増えていますが、そもそも、世界遺産がどういうものかと言えば、「文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする。」とされています。

世界遺産の目的からすれば、日本列島の各地に発掘された縄文時代の遺跡には文化遺産としての価値があり、現代世界が抱える「社会の持続可能性」「世界平和の実現」「人口減少の対応策」などの原点が縄文時代にも共通点がみられます。

前述のように、約1万年続いた縄文時代には、急激な人口増加と減少が推定され、世界に類をみない戦争が少なかったと考えられています。

自然と共存をはかった縄文時代の遺跡には、形成された集落の建物には格差がほとんどなく、身分や階級の違いが存在しない共存関係を作り、争いがない社会を構築しています。

縄文時代の遺跡には、縄文人のライフスタイルを学ぶことで現代文明の超克につながる文化遺産の価値と自然遺産としての価値があり、世界遺産の可能性が秘められています。

縄文時代の遺跡には、世界遺産の可能性が秘められている?

古代の日本列島に約1万年も続いた縄文時代には、急激な人口増加と人口減少が推定され、現代の日本が抱える人口減少の問題や争いがない社会を実現するヒントが隠されているかもしれません。

日本人の直接の祖先が住んでいた縄文時代の遺跡には、文化遺産と自然遺産の両面の意味があり、世界遺産に認定される可能性が秘められていると考えられます。

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