縄文時代の女性の役割と男女関係

現代の日本では、男尊女卑や女尊男卑、ジェンダーフリーといった性別に対する偏見や意識が改善される傾向にありますが、そもそも男女とも同じ人なのです。

日本古来の男女には、男女平等でも男尊女卑でもない、男女の性別の違いを認め、相互の役割を尊重し、感謝しあっていた関係が縄文時代には推測されています。

キリスト教やイスラム教、仏教のいずれにおいても、男女は対立した存在と認識されていますが、仏教文化が伝わる前の日本列島には、男女は対立する関係ではなく、対等な関係であり、共存共栄をはかっています。

縄文時代にはいり、狩猟を中心とした生活から、植物食を中心とした生活への転換で変化した女性の役割などを紹介します。

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縄文時代の女性の役割

氷河期が終わり、温暖化した縄文時代にはそれまでの針葉樹林から落葉広葉樹林へと変わり、人々は移動生活から定住生活へと移行し、食料確保に関して依存的な立場だった女性の立場も変化します。

ドングリやトチノミなどの落葉広葉樹の木の実の採集をはじめ、山菜採りや魚介類の獲得は女性の役割となり、男性が狩猟で獲得する獲物よりも安定した食料確保を実現しています。

植物食を中心とした生活を可能にした女性の役割によって、男性は狩猟から植物食に必要となる塩の確保のために、海辺の集落との物々交換による交易などに役割を変化させています。

また、定住生活が進行するに従って、男性は集団を統合し、周辺の集落や集団との関わりを担う役割も担うようになったと考えられます。

縄文時代の集団内での男女関係

定住生活がはじまった縄文時代は集落が形成され、食料確保のための生産活動に関しては前述のような、植物の採集や魚介類の獲得などが女性の役割となり、男性は狩猟から集落内の統率と周辺の集落や交易といった集落の外に向けた行動が求められます。

自然環境や周辺の集落などの外圧に立ち向かう男性と集落内での植物の採集にあたる女性の役割では、互いの役割に欠ける部分があり、その欠損を埋める性的欲望を双方から充足したと考えられます。

集落という集団の中で男性が女性に期待するのは性的充足であり、女性にとっても男性に性的充足を与えながら自らの性的充足を得たと考えられます。

つまり、縄文時代の男女関係は、性に対する期待関係といえ、それぞれの過不足を補い合う関係性が構築されています。

定住生活で生産活動に関与した縄文時代の女性の役割

マンモスなどの大型獣を狩猟するために移動生活を送っていた旧石器時代から、温暖化がすすむ縄文時代には、定住生活がすすみ集落が形成されています。

針葉樹林から落葉広葉樹林へとかわり、木ノ実の採集や山菜採り、魚介類の獲得などが女性の役割となった縄文時代には、それまでの狩猟を中心とした食料確保から、植物食中心の生活へと移行しています。

食料確保の生産に男女の役割が拡大した縄文時代には、集落内での男女間での性的な充足関係も重要となり、相互の役割の違いに対する感謝と理解が存在した時代といえます。

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