縄文時代に捕鯨は行われていた?牧畜は?

考古学や先史、古代の歴史区分、あるいは人類の文化発展段階の一つとして、石器時代と旧石器時代という区分があり、縄文時代はこの区分では旧石器時代にあたります。

新石器時代は、狩猟や採集による獲得経済から農耕や牧畜での生産経済へと移行した時代と解されていて、農耕や牧畜が行われていなくても新石器時代に区分できるとする学者もいるなど、厳格な定義ではありません。

そのため、縄文時代が新石器時代ではなく、旧石器時代に区分されると解されるのは、新石器時代に行われた農耕と牧畜のうち、牧畜が行われていないためです。

狩猟や採集を中心とした生活から、稲作を中心とした生活へと移行過程が含まれていた縄文時代の漁労の一部だった捕鯨と牧畜について紹介します。

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縄文時代に牧畜は行われていたのか?

約1万年も続いた縄文時代は、時代の初めと後半から終盤では、気候変動や人口の増加、生産活動の変化など、さまざまに変化しています。

縄文時代が始まった当初は、狩猟や採集による食料獲得が行われ、次第に不足分を補うために牧畜が行われたと考えられ、縄文時代後半に一部の地域で稲作が行われた遺跡も発掘されています。

日本の歴史の教科書での時代区分では、旧石器時代から縄文時代、弥生時代と時代が移り変わりますが、あくまで、考古学や先史、古代での歴史区分においては、農耕や牧畜の有無が新石器時代かどうかの基準であり、その意味では、縄文時代は旧石器時代と新石器時代のそれぞれに該当する項目が複数存在した過渡期だと言えそうです。

日本での鯨食の始まりは、縄文時代だった?

狩猟や採集を中心とした生活で、一定期間を特定の場所に定住し始めた縄文時代には、一部で農耕や牧畜の痕跡が見られるものの、考古学的な歴史区分では、旧石器時代とも解されています。

狩猟や採集に加えて、漁労も行われていた縄文時代には、沿岸に流れ着いた寄り鯨を海からの恵みとして食していたと考えられ、縄文時代の中期になると、積極的な捕鯨が行われたと考えられています。

捕鯨により獲得された鯨の肉は食用として利用され、食べられない部位の骨などは土器の製造台など、さまざまに有用活用されています。

定住を始めた縄文時代の牧畜と捕鯨

今から約1万5000年前に始まったとされる縄文時代は、旧石器時代から続いた狩猟や採集を中心とした生活を送りながら、縄文土器の発明により、食料の調理や保存が可能となり、一定期間を特定の場所に定住が始まっています。

そのため、縄文時代の後期には、一部地域では稲作が始まっていて、食料の不足分を補完する牧畜も行われていたともされています。

その一方、漁労が可能な沿岸部の地域では、沿岸に流れ着いた鯨を捕獲して食する鯨食が当初からあり、縄文時代中期となると積極的に捕鯨が行われています。

現在の国際社会で問題視される捕鯨は、日本においては約1万5000年にはじまった縄文時代から行われているため、諸外国とは食文化の違いを有しているため、相互理解が難しい問題となっています。

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