縄文時代の狩猟採集生活で使われた道具

氷河期で大陸と陸続きだった日本列島では、マンモスやナウマン象など大型獣を狩猟する生活をおくる旧石器時代が続いています。

氷河期が終わり、温暖化が進むと大型獣が絶滅し、針葉樹林で覆われていた場所が落葉広葉樹林へと変化し、縄文土器の発明により縄文時代がはじまります。

気候の温暖化と落葉広葉樹林の広がりによって、縄文時代の人々の食生活は、獣の肉を中心とした肉食から植物食を中心とした食生活に変化します。

縄文時代の狩猟採集生活への変化は、日常生活で使用する道具にも変化と進化がみられます。

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縄文時代の特徴となった縄文土器の発明

氷河期に長く続いた旧石器時代は、マンモスなどの大型獣と対峙し、集団で殴り倒す狩りが主に行われ、単に石を砕いた打製石器が道具に使われています。

縄文時代の名前の由来となっている縄文土器は、土器の表面に縄目の紋様が付けられた特徴を持ち、焼き上げる温度が低かったために黒っぽい色をし、弥生式土器よりも厚い土器となっています。

約1万年も続いた縄文時代は、縄文土器の形状や紋様の特徴によって、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6つに区分され、それぞれの時期で進化や変化の特徴を有しています。

狩猟採集生活へと変化した縄文時代の生活において、ドングリやトチノミなどの木ノ実の灰汁取りや、獲物の肉との煮込み料理、土器の形状を工夫することで食料の貯蔵と縄文土器が有効に活用されています。

縄文時代の狩猟採集生活のために使われた道具

氷河期が終わり、急激に温暖化した気候によりマンモスなどの大型獣が絶滅し、縄文時代には、シカやイノシシなどの動きの速い中小型の動物が狩猟の対象と変化し、広葉樹の木の実を採集する狩猟採集生活へと変化します。

そのため、獲物と距離をおいて仕留めることができる弓矢や投げ槍といった道具が必要となり、それまでの打製石器を砥石で磨いた磨製石器が生み出されています。

打製石器を加工した磨製石器の登場により、動物の骨や角を削ったり磨く事も可能となり、釣り針や銛など漁労に必要な骨角器と呼ばれる道具も作られます。

また、硬い皮をもつドングリやトチノミなどの広葉樹の木の実を砕いたり、すり潰すための道具として、石皿や磨製石器が使われ、料理や貯蔵の方法にも影響を与えています。

旧石器時代から縄文時代への生活の変化が道具の変化にも?

縄文時代の人々の生活は、狩猟、漁労、植物の採集や栽培を行いながら暮らしていて、その暮らしを支えるための道具が生み出されています。

動きの速い動物の狩猟のための弓矢、漁労のための釣り針や銛、採集のための石皿や磨製石器といった道具が作り出されていますが、それら食材の料理や貯蔵に使われた縄文土器の発明が基盤となっています。

つまり、狩猟中心の生活から、狩猟採集生活へと変化した縄文時代には、それまでの打製石器が継続して使用されながら、生活の変化に必要を感じた縄文人たちが、磨製石器へと進化させる技術によって骨角器といった道具などを生み出しています。

現代までさまざまに変化してきた生活に対応するために作られた道具の発明や改良の原点が、古代の縄文時代にあったと推測できます。

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