縄文時代の草創期とは?特徴は?

今からおよそ1万6000年前にはじまったとされる縄文時代は、約1万年という長期間にわたり続いた時代で、それまでの旧石器時代にはなかった土器が発明された特徴があります。

1万年という期間でつくられた縄文土器には、つくられた時期や地域によって差があり、土器の形状などから縄文時代は、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期といった6期に分けられています。

氷河期にあった旧石器時代が終わり、縄文土器の発明により始まった縄文時代の最初の時期にあたる草創期は、旧石器時代と縄文時代の過渡期とも言えます。

狩猟採集のために移動生活を送っていた旧石器時代から、縄文土器を作り、畑を作りはじめて定住生活が始まった縄文時代の草創期を紹介します。

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縄文時代の草創期とは、いつ?どんな特徴があるの?

縄文時代の草創期とは、今から約1万3000年前から9000年前ごとの時期にあたり、それまでの旧石器時代には行われていなかった畑が作られ、縄文土器が作られ、狩猟や採集によって得られた肉や木の実を粉にしたものを料理して食料にしています。

氷河期にあった旧石器時代には、マンモスなどの大型獣を狩猟の対象として、洞窟を転々とした移動生活を送っていますが、氷河期が終わった縄文時代の草創期には、一定の場所である程度の食料が確保でき、定住生活を始めています。

シカやイノシシなどの中小型の動物を獲物とした縄文時代の人々は、それまでの狩猟方法では対応できなくなり、弓矢を使い始め、打製石器を砥石で磨き、切れ味をもたせた矢尻を矢の先端に取り付けるなどの工夫がなされています。

縄文時代の草創期の遺跡や土器の特徴は?

日本で最も古い集落と言われる鹿児島県の上野原遺跡は、縄文時代の草創期にあたると考えられ、竪穴式住居と呼ばれる住居をつくり、集落が形成されています。

縄文時代の草創期に作られた縄文土器には、土器の底が丸い特徴があり、土器の底を土に埋めて、周囲を火で囲んで使用したと考えられます。

また、石器には、投げ槍につけられた「やり先」や弓矢につけられた「矢尻」、動物の皮を剥ぐための包丁のようなナイフに加工されたものが発見されています。

いずれの石器も、旧石器時代の打製石器が、砥石で磨かれた磨製石器に加工され、捕食した動物の肉以外の皮も舐めして服などに利用しています。

旧石器時代から縄文時代への過渡期にあたる草創期には、土器よりも石器の方が道具として利用され、竪穴式住居跡からは、保存できる木の実や草などが貯蔵される穴が掘られ、貯蔵穴に蓄えられた特徴があります。

旧石器時代から縄文時代への過渡期となった縄文時代の草創期

縄文時代の草創期は、それまでの氷河期にあった旧石器時代から急激な温暖化に伴って、針葉樹林から広葉樹林へと変わり、マンモスなどの大型獣の滅亡と自然環境が急激に変化しています。

その自然環境に適応するように、縄文時代の草創期の人々は、それまでの打製石器を砥石で磨いて磨製石器を作り出し、草創期の中盤には縄文土器を生み出しています。

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