縄文時代に豊かさはあったのか?豊かさの象徴は?

現代の日本は、政治や行政といった組織体系が確立され、さまざまなインフラが整って快適な生活が送れるシステムと環境にあります。

その一方、収入格差や社会的な立場の違いによる幸福感も多様化し、人が本来感じる豊かさの違いも見られます。

原始時代から旧石器時代を経て、狩猟採集を中心とした生活を送っていた縄文時代に、衣食住に関する豊かさがあったのか、あるいは精神的な豊かさがあったのか、紹介します。

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縄文時代の自然状況や環境は?

今から約1万6000年前に始まったといわれる縄文時代は約1万年も続き、狩猟採集を中心とした生活を送っていたため、安定した食料が確保できず、食生活も貧しかったと想像しがちですが、発見された人骨からは、江戸時代の人骨よりも歯のエナメル質が減っていたというレポートも存在します。

氷河期が終わって海面が上昇して日本列島が形成され始めた縄文時代には、ナウマン象などの大型動物が消え、シカやイノシシが増え、気温が上昇して温暖となったことで、針葉樹林から広葉樹林へと変化しています。

そのため、縄文時代の人々は、大型の動物を捕獲する猟から、動きの早い小動物を射止めるために槍から弓矢が開発され、落とし穴も多用されています。

弓矢の使用によってシカやイノシシ、キジやカモなどの鳥類も弓矢で狩猟の対象とし、広葉樹林の木の実を縄文土器で煮炊きした食生活を送っています。

縄文時代の生活環境や食生活の豊かさの象徴には?

縄文時代の生活が前述のような自然環境のもとで行われた証拠として、青森市で発見された三内丸山遺跡や東京都の中里貝塚があります。

青森の三内丸山遺跡には、南にブナの森が広がり、約500件の竪穴式住居跡、約10件の大型住居跡があり、集落の人々の墓、盛土、貯蔵穴、粘土採掘坑、ゴミ捨て場などがあり、前述のような暮らしが可能だったことを示していて、狩猟採集を中心とした生活でも豊かさがあったと考えられます。

また、東京の中里貝塚からは、ハマグリとカキならなる貝層が見つかり、食べかすではない大きな貝殻からは、貝類の加工を専門に行なう水産加工場が想像されています。

約1万年継続した縄文時代は、6つの時期に区分され、それぞれの時期と場所で、確保される食料や発達した技術の違いから、地域間の交易も行われたと考えられるため、それなりの豊かさが存在したと想像されます。

縄文時代には、それなりの豊かさがあった?

狩猟採集を中心とした暮らしのために、食料確保が難しかったと想像される縄文時代にも、広葉樹林の木の実を縄文土器で煮炊きした料理が食され、各地でそれぞれの食料が確保された食生活の豊かさがあったようです。

青森の三内丸山遺跡や東京の中里貝塚からは、縄文時代の生活環境に適応した縄文人たちの生活の豊かさが想像されます。

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