縄文時代と弥生時代の土器には、どんな違いがある?

小学校や中学校での歴史の授業で習う縄文時代や弥生時代ですが、深い内容を覚えていなくても、縄文土器や弥生土器という名前くらいは覚えている人も多いと思います。

今から約1万5000年前から始まり、約1万年続いた縄文時代、その後を引き継いだ弥生時代の、それぞれの時代を象徴する縄文土器と弥生土器には、名前の由来の違いや土器の特徴があります。

大型獣の肉食から植物食への食生活への転換を可能にした縄文土器、稲作農耕での食料貯蔵など、日常生活に欠かせない道具だった二つの時代の土器の違いなどを紹介します。

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縄文時代と弥生時代の土器の名前の由来や特徴

縄文時代の縄文土器、弥生時代の弥生土器の製造方法だけでは区別しづらいものですが、二つの時代の土器にはさまざまな違いがあります。

縄文土器は、アメリカ人動物学者が発掘した土器を報告した「縄目状の模様」という表現から縄文土器という名前がつけられ、縄文時代にもつながっています。

一方、弥生土器は、土器が発見された場所が現在の東京都文京区弥生だったことから、その地名をとって弥生土器と名付けられています。

土器の製造過程で、土器表面に縄や竹などで縄目の紋様がつけられた縄文土器は、弥生土器よりも低温で焼き上げられるため、土器が厚くて脆く、全体的に黒っぽいものが多くなっています。

弥生土器は、縄文土器よりも高温で焼きあげられるため明るい褐色をしており、土器の厚さも薄く模様がないものが多く、実用性が高くなっています。

縄文時代と弥生時代に使われた土器の使用方法は?

石をただ砕いただけの石器を道具に利用していた旧石器時代から、土器が発明されて始まった縄文時代には、打製石器が進化した磨製石器と共に、縄文土器が日常の食生活を変化させています。

各地で発掘された縄文土器には、深い鉢の形状をした深鉢形土器と上部に炎をかたどった装飾が施された火炎型土器といった違いがみられます。

深鉢形土器の表面からは、食料を煮炊きしたと考えられる火による表面の変色やススがみられ、日常生活での炊事に利用されたと推測でき、火炎型土器は、その装飾からも祭祀などに利用されたと推察できます。

弥生時代の弥生土器には、壺、甕、高坏といった三種類の形状がみられ、使われる用途に応じた形状の土器が選択されたと推測できます。

壺の形状をした弥生土器は穀物や液体の保存に、甕の形状の土器は縄文時代と同様に煮炊き用として、高坏の形状の土器は、食べ物を盛り付けるために使われたと考えられます。

弥生土器には、縄目の文様が特徴である縄文土器とは違い、土器表面には目立った文様やデザインがないものが多く作られています。

縄文時代と弥生時代の土器の違い

縄文時代と弥生時代の土器には、窯で焼き上げられる温度の違いが土器の厚みの違いを生み、縄目の紋様を特徴とした縄文土器と無地に近い薄い厚さの弥生土器ができています。

弥生土器は、デザインがシンプルで、製造技術が進んでいるため、縄文土器よりも食材の保存や貯蔵を考慮され、実用性に優れています。

人類の歴史が、さまざまな道具の進歩とともに進化した第一歩が、土器の発明と陶磁技術の進歩が先史時代に起きています。

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