縄文時代の文明は高度だったのか?

日本の先史時代については、奈良時代や平安時代よりも分からないことが多く、最近では三内丸山遺跡の調査が進み、縄文時代の文明が世界四大文明などに匹敵する高度な文明社会が存在していたと考えられ始めています。

世界における古代文明の発祥とされるメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明といった四大文明は、中国の梁啓超による二十世紀太平洋歌の中で示された考え方で、火を使用したことで文明の開花を示しています。

世界四大文明は約1万年から8000年前で、縄文時代は約1万5000年前には始まっており、火の使用はもちろん、土器の発明も有しています。

縄文時代に存在した高度な文明のいくつかを紹介します。

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縄文時代の文明が高度であったとされるのは?

縄文時代の文明が高度であったとされるのは、世界四大文明と同様に火の使用がみられ、さらに粘土をこねて火で焼いた縄文土器が作られていたことにあります。

約1万年も続いた縄文時代は6期に分類され、それぞれの時期の状況で土器の形状などの変化がみられますが、全般的には口が広く、深い形状の土器が多く残されています。

縄文土器の発明で、狩猟や採集で得られた獲物の肉の加熱調理や、広葉樹の木の実を粉にしたり、汁物や見込み料理などにも利用され、食料の備蓄も行われています。

縄文時代の土器の使用は、火を使うだけでなく、火を道具として活用した高度な文明といえ、それまでの食生活に変化をもたらし、移動生活から定住生活の可能性を示唆し、新しい文明を生み出しています。

旧石器時代の石器を進化させた縄文時代の技術

縄文時代の文明が火を使用するだけでなく、火を道具として土器の製作に利用した技術を発明した点で、四大文明よりも高度な文明と考えられ、それまでに使用された石器も進化させています。

狩猟を中心とした旧石器時代には、石をただ砕いて道具に使っていた打製石器を、石の表面を磨いてナイフのような切れ味を持たせた磨製石器に進化させています。

黒曜石やサヌカイトといった硬質でガラス質の石を選んで、水で濡らした研ぎ石で研磨して磨製石器を生み出した技術にも、縄文時代の文明が高度であったことが示されています。

磨製石器が登場したことで、獣の皮の加工や木の実の調理などの作業が効率化され、技術の進化が見られます。

縄文時代が古代文明の中でも高度だったと言われる理由

縄文時代が古代文明の中でも高度な文明を保有していたと言われる理由には、火の使用だけでなく、火を利用して縄文土器を焼き上げ、それまでの石器を進化させた磨製石器を生み出し、骨角器などの道具も作り出しています。

文字の発明こそないものの、旧石器時代までの原始人に近い生活様式が格段に高度なものに変化した縄文時代は、その誕生時期が世界四大文明よりも遥か昔だった点でも、注目されています。

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