縄文時代の晩期に使われた土器の特徴

大森貝塚を発掘したアメリカ神動物学者のモースが発見した縄文土器が、古代日本の時代の名前になった縄文時代は、今から約1万5000年ほど前に始まり約1万年も続いた世界にも類をみない時代区分となっています。

縄文時代は、発見される土器や資料から、最初は前期、中期、後期の三つに区分されていましたが、その後の研究によって、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の六つに区分され直しています。

これらの時代区分は、土器の種類による区分で、発掘された土器に含まれる放射性炭素C14による加速器質量分析と呼ばれる年代測定法の測定結果です。

縄文時代の特徴を象徴する土器の全般的な特徴や、区分ごとの特徴などについて紹介します。

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縄文時代の土器の特徴は?

縄文時代につくられた縄文土器の特徴は、低温で焼かれているために黒褐色をしていて、弥生式土器ほど技術がないために厚手になっています。

縄文土器は、草創期から中期にかけての時代区分では、次第に土器の形状と装飾が豪華になる特徴を有しています。

縄文時代草創期には、隆起線紋土器といわれる丸底で深い形状の土器が作られ、早期になると、尖底深鉢土器という先端が尖った土器に形が変わります。

縄文時代前期には、平底になって置いても安定する形にかわり、縄の紋様が鮮明になり上方に開いた口の部分も豪華になり、中期には、縄文時代前期の装飾された部分が一気に豪華になり、炎が燃えるような形状をしていたため、火炎土器とよばれる特徴があります。

縄文時代の後期と晩期の土器にみられる特徴

縄文時代の後期と晩期につくられた土器には、前述した前期と中期で作られたものとは違い、小型化され実用性が重視されたものに変化しています。

後期になると、どびんのような形の注口土器や壺、香炉の形をした土器や祭祀に使われた土器も多く作られ、文様も複雑になり、光沢を出すなどの技法が用いられています。

晩期になると、文様はさらに流麗となり、東北地方に広く分布するこの時期の土器は、亀ヶ岡式土器や大洞式などとも呼ばれています。

生活の多様化とともに、それまでとは違う目的に応じた土器が作られた後期の土器から、晩期には、黒光りする土器、複雑な文様を浮き彫りや透かし彫りといったそれまでの技術が昇華された土器が生み出されています。

縄文時代の土器の集大成が晩期の小型化と精巧なデザインに?

旧石器時代から、土器の発明によって新たな時代を迎えた縄文時代は、約1万年もの長い間続いた時代で、土器の作られた時期で六つに区分されています。

時間の経過とともに土器の形状は、次第に深鉢の形状から平底へ、上方の口の部分が豪華な縄目模様の装飾となり、後期と晩期には、小型化と実用性が重視された土器へと変化しています。

特に、縄文時代の晩期には、それまでの土器に注ぎ込まれた技術や芸術性が昇華されたものとなっています。

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