縄文時代に肉食は行われていたのか?

日本人の肉食といえば、明治維新となり西洋からさまざまな文化が流入し、それまでは仏教思想で口にしていなかった牛鍋を食べることが最先端と考えられていました。

文明開化で日本人が「肉食」をはじめたように思えますが、実際には石器時代から現在に至るまで、日本人が肉食を一切しなかった時期は存在しません。

狩猟生活を中心とした旧石器時代には、マンモスなどの大型獣などの肉を食し、大型獣が絶滅した縄文時代には、植物の採集や栽培を中心としながらも、イノシシやシカなどの動物を食べた痕跡があります。

日本人の直接の祖先にあたる縄文時代の人々が行なった肉食について紹介します。

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旧石器時代から続く肉食文化

スペインやフランスに残された旧石器時代の洞窟に描かれたマンモスやバイソンなどの大型獣の壁画からは、当時の人々の食事が肉食だったと想像できます。

氷河期だった日本での旧石器時代にも、マンモスなどの大型獣を獲物とする狩猟が行われ、肉食だったと推測されます。

氷河期が終わり、温暖化する気候と共に縄文時代になると、マンモスなどの大型獣が絶滅し、縄文時代の人々は食料確保のために、針葉樹林から広葉樹林へと変わる環境に対応して植物を採集したり、栗などの栽培を行っています。

つまり、旧石器時代からの肉食中心の食生活から、植物食を中心とした食生活へと移行したと考えられ、人は雑食であり適応が可能だったと考えられます。

肉食から植物食を可能にした縄文時代の縄文土器

縄文時代の特徴である縄文土器の発明は、動物の肉の煮炊きだけではなく、広葉樹林の硬い木の実を粉にしたものを調理することも可能にしています。

しかも、加熱調理が可能となり、土器の形状を考慮することで食物の貯蔵も可能にしたため、植物食を中心としながらイノシシやシカなどの動物、鳥や魚介類などを狩猟、漁労して食料を確保しています。

旧石器時代から続いた肉食を中心とした食事から、縄文時代の植物の採集と栽培、それに縄文土器の発明が、結果的に栄養バランスの良い食生活へと変化しています。

とはいえ、縄文時代の遺跡や貝塚から発見される動物の骨には、肉食の継続が裏付けられています。

縄文時代の肉食は、大型獣からイノシシやシカなどに変わった?

縄文時代の人々は、旧石器時代から続いた狩猟を中心とした生活から、植物の採集や栽培を中心としながら狩猟を行う生活へと変化しています。

氷河期が終わり、温暖になった気候でマンモスなどの大型獣が絶滅した縄文時代の人々は、イノシシやシカなどの動物を食べたことが貝塚などからもわかります。

ドングリなどの木の実を採集し、栗などを栽培した縄文時代の人々は、植物食を中心としながら、肉食が副次的なものであったと考えられています。

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