縄文時代に猫はいたのか?日本猫の起源はいつ?

現在の日本人の3人に1人が、犬や猫をはじめとした何らかのペットを飼っているといわれ、犬や猫との関わりは縄文時代にさかのぼります。

犬も猫も、もともとは野生動物だったものを人が飼い慣らして家畜化していて、狩猟生活を送っていた約1万5000年前ごろの縄文時代には、すでに家畜化されています。

狩猟で生活をしていた縄文人は、獲物と追いかけさせたり、捕まえたりさせるために犬を大切な相棒として扱い、縄文時代早期の遺跡からは丁寧に埋葬された犬の骨がみつかっています。

一方の猫が日本の歴史に登場するのは、中国から遣唐使によって大量の経典が持ち帰る際のネズミ除けのために連れてこられたという記述が、奈良時代にあります。

現在のペットブームで、犬の人気を凌いだと言われる猫の起源となる縄文時代や弥生時代での存在を紹介します。

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日本猫の歴史のはじまりは?

狩猟採集を行っていた縄文時代の人々が、狩猟の際に獲物を獲るため、あるいは獲物を追いかけせるために家畜化した縄文犬を相棒としたことは、発掘された遺跡に丁寧に埋葬された犬の骨や、遺伝子を受け継ぐ柴犬などの存在などからも推察されます。

日本列島に登場した猫の起源は、奈良時代の遣唐使が唐から経典などを持ち込む際に、経典や書物へのネズミの害から守るために、中国から輸入されたと考えられています。

また、日本猫とのかかわりが歴史的な資料に残されたものは少なく、文献資料に登場するのは、705年に書かれた「日本霊異記」に膳臣広国が死後に猫に転生したという記述が最初とされています。

奈良時代の宇多天皇が記した黒猫の飼育日記に、「唐から渡来した黒猫」という断り書きがあるように、奈良時代とそれ以前から、在来種の猫が存在が推察されます。

縄文時代に猫がいた可能性を示す遺跡に?

2011年に長崎の壱岐市勝本町で発掘されたカラカミ遺跡で、日本最古の家猫の骨が発見され、発掘調査で弥生時代後期の半ばのものと判明し、前述の奈良時代が起源とされた猫の歴史が塗り替えられています。

発見された猫の骨は、家猫の前腕の骨であるとされ、これまでに発見されていた6世紀末から7世紀初頭の須恵器に付着していた猫の足跡よりも古く、弥生時代から猫が飼育されています。

2008年に行われた発掘調査で見つかっていたカラカミ遺跡の猫の骨13点は、発掘された場所が時代を特定できる遺構内でなく、ヤマネコの可能性が払拭されなかったため、2011年に発見された骨により、家猫の存在の確証とされています。

稲作が本格化し、収穫された穀物を貯蔵した倉庫でのネズミの害を防ぐために猫が飼育されたと考えられるものの、具体的にどんな飼い方をされていたのかは判明していません。

弥生時代に在来種の猫がいたとすれば、それ以前の縄文時代に野生種の猫が存在した可能性も推察できますが、明確な証拠はみつかっていません。

縄文時代にも猫がいた可能性を示すカラカミ遺跡

日本での猫の起源は、遣唐使が派遣された奈良時代に、ネズミ対策として中国から持ち込まれたとされていました。

しかしながら、長崎県壱岐市のカラカミ遺跡での家猫の骨の発掘で、弥生時代後期の半ばには、猫が家畜化されて飼育された可能性が見出されています。

それ以前に発見されたヤマネコの骨の年代が確定されておらず、縄文時代にも家猫ではない野生種での存在も推測され、今後の研究で解明されるかもしれません。

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